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眼神経 V1 (ophtalmic nerve)

目次

眼神経 V1 (ophtalmic nerve)

三叉神経の第1枝で、三叉神経節より前上方に向かい、上眼窩裂を通って眼窩に至る。眼窩内、上眼瞼、前頭部、鼻腔の一部、眉間、鼻根、鼻尖などに分布して、皮膚知覚を司る。

2014-29a01眼神経(V1)2048-1536.png
眼神経 V1 (ophtalmic nerve)

眼神経の線維構成

  • GSA 顔面部の温痛覚・粗大な触圧覚→三叉神経節→三叉神経脊髄路核
  • GSA 顔面部の識別性触圧覚→三叉神経節→三叉神経主知覚核
  • GSA 眼筋、咀嚼筋、歯根膜の深部感覚→三叉神経中脳路核

眼神経の枝

  • テント枝 tentorial branch:上眼窩裂を通る前に頭蓋内で枝分かれして、後方に走り小脳テントや大脳鎌に分布する。三叉神経の他の硬膜枝および迷走神経の硬膜枝などとともに、頭痛の発生に関係を持つといわれる。
    2014-29a02テント枝2048-1536.png

    テント枝 tentorial branch

  • 涙腺神経 lacrimal nerve:眼窩の上外側縁に沿って涙腺動・静脈とともに前進し、上眼瞼の外側部、涙腺、結膜に分布する。
    *※涙腺神経には涙腺の分泌を促進する副交感成分GVEも合流する。このGVE成分(副交感性成分)の経路は、上唾液核(副交感性節前ニューロン)→中間神経(VII 顔面神経)→大錐体神経→翼突管神経→翼口蓋神経節(副交感性節後ニューロン)→頬骨神経(V2)→涙腺神経との交通枝→涙腺神経(V3)→涙腺である。 *

    2014-29a04涙腺神経2048-1536.png

    涙腺神経 lacrimal nerve

  • 前頭神経 frontal nerve: 上眼瞼挙筋の上を前進し、眼窩上神経と滑車上神経に分かれる。
  • 眼窩上神経 supraorbital nerve:外側枝と内側枝に分かれ、それぞれ眼窩上孔と前頭切痕を通って、前頭部の皮膚に分布する。
  • 滑車上神経 supratrochlear nerve:滑車の上方を通って上眼瞼内側部、鼻根の皮膚に分布する。
    2014-29a03前頭神経2048-1536.png

    前頭神経 frontal nerve

  • 鼻毛様体神経 nasociliary nerve:上直筋の下を前内方に向かって走り、以下の枝をだして、眼球、涙囊、鼻粘膜の一部や鼻背に分布する。
  • 毛様体神経節との交通枝(知覚根) communicating branch with ciliary ganglion (sensory root): 毛様体神経節に知覚性成分を送る。
  • 長毛様体神経 long ciliary nerves:通常2本ある。眼球の後極の視神経の近くで強膜を貫き眼球内に進入し、強膜と脈絡膜の間を前走し、毛様体と虹彩の付近まで至る。眼球の知覚を司る。
  • 後篩骨神経 posterior ethmoidal nerve:後篩骨孔を通過して篩骨洞後部に入り、篩骨洞や蝶形骨洞の知覚を司る。
  • 前篩骨神経 anterior ethmoidal nerve:前篩骨孔を通過して再び頭蓋内に入り、さらに篩骨篩板の前端を貫いて鼻腔に入り、鼻粘膜の前上部と鼻背、鼻尖の知覚を司る。なお鼻翼の皮膚知覚は三叉神経第2枝(上顎神経)の支配であることに注意する。
  • 滑車下神経 infratrochlear nerve:上斜筋の滑車の下方を前進し、上眼瞼や内眼角の皮膚の知覚を司る。
    2014-29a05鼻毛様体神経2048-1536.png

    鼻毛様体神経 nasociliary nerve

    【一問一答】8.4.1.5 神経系 – 末梢神経系 脳神経 V 三叉神経

https://www.anatomy.tokyo/oqoa/【一問一答】8-4-1-5-末梢神経系-脳神経-v-三叉神経/

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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