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全身性浮腫の要因
全身性浮腫の要因についてみてみます。
臓器でいえば、心臓、腎臓、肝臓が悪くなると全身性浮腫が生じます。
何故か?を理解してください。毛細血管網の静脈側は血圧が15mmHg、膠質浸透圧は25mmHgあります。よって、 15-25 = -10mmHgが毛細血管の静脈側の濾過圧です。マイナスなので、再吸収が働きます。
心不全などで、心臓のポンプとしての機能が低下すると、静脈血が戻りにくくなり、静脈圧が上昇します。
たとえば、毛細血管の臍静脈側の血圧が15mmHgから20mmHgとなったとします。
膠質浸透圧は25mmHgで変わらないので、
20-25 = -5mmHgとなります。
静脈圧が15mmHgから20mmHgに上昇するだけで、再吸収の力は-10より、-5と半分となってしまいます。
心臓性の浮腫の場合は、重力の影響のため下肢に生じやすいという特徴があります。
腎臓が悪くなっても、浮腫が生じます。腎炎やネフローゼ症候群ではタンパク尿で尿中にタンパク質が出てしまいます。すると低タンパク血症となり、膠質浸透圧の低下が生じます。
通常、膠質浸透圧は25mmHgですが、これが20mmHgに減るとどうでしょうか。細静脈側の血圧15mmHg – 20mmHgで、-5mmHgとなります。膠質浸透圧が25から20に低下するだけで、組織液を再吸収する力は半分となってしまいます。
腎性の浮腫の場合は、上眼瞼より生じやすいという特徴があります。
肝臓が悪くなっても、全身性浮腫となります。血漿タンパク質の多くは肝臓でつくられます。肝機能の低下により血漿タンパク質の産生能力が落ち、低タンパク血症となります。あとは、同様に低タンパク血症は膠質浸透圧の低下を招き、浮腫を生じさせます。
また、肝硬変では門脈圧の上昇により腹水を伴うことも特徴です。
低栄養でも浮腫が生じます。飢餓や過度のダイエットによる低タンパク血症が原因です。
ホルモンバランスの失調によっても浮腫となります。甲状腺機能低下症の他、月経前などにみられます。
浮腫を見分ける注意点
リンパ管による回収能力を超えて組織液が貯留した状態を水腫といい、皮下にこの貯留が起こると浮腫となります。
浮腫の有無をみるには、上肢や下肢の場合、左右の大きさや、静脈、腱、骨の浮き出しに注意します。
圧痕浮腫の確認では、指で5秒間しっかり丁寧に押してみます。
正常では圧痕(右)はみられませんが、浮腫がある場合は、指の跡が残ります。
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