横隔膜は、胸腔と腹腔との境をなす円形の筋板で、胸郭下口のまわりから起こり、円蓋状に胸腔に向かって盛り上り腱中心に終わる。起始部は3部に分かれる。
- 胸骨部:剣状突起の後面から起こる。
- 肋骨部:肋骨弓の内面から起こる。
- 腰椎部:上位腰椎とその肋骨突起から起こる。
これらが輪状に起こり、上方に走り体の中心部に向かって集まり、腱中心をつくる。筋全体は腹腔から胸腔に向かって円蓋状に突出している。この筋が働くと胸腔に向かう円蓋が下がり、胸腔が広がり吸気が起こる。ゆえに呼吸に関して重要な働きをなす(腹式呼吸)。頸神経叢の枝である横隔神経が支配する。
横隔膜の3つの孔
- 大静脈孔:第8胸椎の高さで右寄りに位置する。腱中心にあり、下大静脈が通る。
- 食道裂孔:第10胸維の高さ。食道と左右の迷走神経が通る。
- 大動脈裂孔:第12胸椎の椎体前面。下行大動脈、奇静脈、胸管と動脈周囲交感神経叢(大内臓神経・小内臓神経など) が通る。
関連問題
横隔膜について誤っている記述はどれか。(第8回 鍼灸 問19)
1 停止部は腱中心である。
2 上面には肝臓が接する。
3 大動脈裂孔には胸管が通る。
4 頸神経叢の枝で支配される。
リンパ本幹について誤っている記述はどれか。(第9回 あマ指 問30)
1 乳糜槽は腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の合流部にある。
2 右リンパ本幹は右下半身のリンパを集める。
3 胸管は大動脈裂孔を通過する。
4 胸管は左静脈角に入る。
横隔膜について誤っている記述はどれか。(第17回 あマ指 問18)
1 頸神経の枝に支配される。
2 吸気筋として働く。
3 大動脈裂孔を迷走神経が通る。
4 腰椎の椎体に起始をもつ。
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参考画像出典元
3D4Medical社 Complete Anatomy
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