黒澤一弘(かずひろ先生)– Author –
黒澤一弘(かずひろ先生)
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系統2.3 動脈系
大動脈弓の枝と頚部の動脈
鎖骨下動脈と総頚動脈について、もう少し細かいところまで追ってみます。 鎖骨下動脈は椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈の4つの枝を出します。「ツナコロッケ」といいます。鎖骨下動脈の4つの枝は、とても重要です。まずは4つの直接の枝「ツナ... -
系統2.3 動脈系
大動脈弓の3つの枝
大動脈弓の枝について見ていきます。 ① 腕頭動脈 ② 左総頚動脈 ③ 左鎖骨下動脈 この3つの枝は、必ず覚えてください。 そして、腕頭動脈は右総頚動脈と右鎖骨下動脈に分かれます。総頚動脈は頭部へ、鎖骨下動脈は腕の動脈へとなりますので、「腕頭動脈」で... -
系統2.3 動脈系
後面より見た動脈系
こちらは大動脈後面より見た図です。脊柱は取り除き、胸郭や寛骨を残して位置関係を把握できるようにしてあります。 肋間動脈や腰動脈は大動脈の後面より左右別々にでているのがよくわかります。 腹大動脈は第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に分かれて終わ... -
系統2.3 動脈系
大動脈の全体像 側面(壁側枝を中心として)
こちらは側面より見た図です。 肋間動脈に相当するものが腰動脈であることがよくわかります。 肋間動脈は胸大動脈の後ろ側より左右でて、肋間部を後ろから前に走行します。 一方、鎖骨下動脈の枝、内胸動脈の前肋間枝は肋間を前から後ろに走行します。 そ... -
系統2.3 動脈系
大動脈の全体像 前面
こちらは内臓器をすべて摘出した状態で大動脈の全体像をみた図です。 各部位の枝については、表と模式図のほうが分類して覚えやすいと思います。 この詳細な図においては、大動脈の走行についてより詳細にイメージできるようになっていただけたらと思いま... -
系統2.3 動脈系
大動脈とその枝(模式図)
動脈系について見ていきます。ここでは主に大動脈とその枝について学びます。 大動脈は ① 上行大動脈 → ② 大動脈弓 → ③ 下行大動脈 と続きます。 下行大動脈は胸大動脈と腹大動脈からなります。両者の境は横隔膜です。胸大動脈が横隔膜の大動脈裂孔を通過... -
系統2.2 心臓
心臓の神経支配(交感神経と迷走神経/変時作用・変伝導作用・変力作用)
心臓には自律神経が分布します。 交感神経は心臓の働きを亢進し、副交感神経 (迷走神経) は心臓の働きを抑制します。 自律神経は心拍数(変時作用)、刺激伝導系での興奮伝導の速度(変伝導作用)、心筋の収縮力(変力作用)に影響を及ぼして心臓の働きを... -
系統2.2 心臓
心臓の血管(左右の冠状動脈、大心臓静脈、中心臓静脈、冠状動脈)
心臓の血管についてみてみます。心臓の栄養血管である冠状動脈は上行大動脈の枝です。上行大動脈の基部より左右の冠状動脈が別々に出ます。 左冠状動脈:左半月弁の直上の大動脈洞より出ます。すぐに前室間溝を下る前室間枝と、冠状溝を前方より左後方へと... -
生理3 循環
不整脈の心電図(房室ブロック・心房細動・心室細動)
2度房室ブロック 2度房室ブロックでは、P波は正常で,後ろにQRS波が続くものと続かないものが混在しています。 3度房室ブロック(完全房室ブロック) 3度房室ブロックは完全房室ブロックとも言われます。心房と心室の間に電気的な連絡がなく、P波とQRS波... -
生理3 循環
心電図の簡単なポイント
心筋の活動電位の総和を体表から記録したものが心電図です。心電図は、興奮伝導の異常や期外収縮などの不整脈、心筋虚血などの心臓の異常の診断に広く用いられています。 心電図ではP,Q,R,S,T波と呼ばれる波が拍動にともなって出現します。 P波は心房の興... -
系統2.2 心臓
刺激伝導系 − 自動能の仕組み
心臓は体外に取り出しても、自動的に拍動を続けることができます。これを自動能といい、この規則正しい律動的拍動のリズムは、洞房結節で発生します。 心筋は固有心筋と特殊心筋の2つがあります。固有心筋はいわゆる「普通の心筋」で、特殊心筋は興奮の発... -
系統2.2 心臓
刺激伝導系(洞房結節, 房室結節, 房室束, 左脚・右脚, プルキンエ線維)
心臓がポンプとしての機能を発揮するためには、心房から心室へと順序よく収縮し、血液を送り出す必要があります。 この収縮の為の興奮のリズムを決め、伝えるのが刺激伝導系です。刺激伝導系の順序や場所は、とてもよく出題されますので、確実に覚えてくだ... -
系統2.3 動脈系
胃・十二指腸と膵臓の栄養血管(腹腔動脈と上腸間膜動脈)
上腹部の臓器は腹腔動脈と上腸間膜動脈が分布しています。胃は腹腔動脈の3つの枝全てが分布しています。 膵臓と十二指腸は腹腔動脈系と上腸間膜動脈系の双方が分布しています。発生的に前腸が腹腔動脈に栄養され、中腸が上腸間膜動脈に栄養されます。そし... -
系統10.4 上肢
鎖骨下動脈・腋窩動脈と深層の筋
鎖骨下動脈 鎖骨下動脈は右は腕頭動脈、左は大動脈弓から分岐します。前斜角筋と中斜角筋の間、斜角筋隙を腕神経叢とともに通過し、第1肋骨外側縁を越えると腋窩動脈に移行します。 椎骨動脈 第6頸椎より上位の横突孔を上行し、大後頭孔より頭蓋内に至りま... -
系統2.2 心臓
固有心筋と特殊心筋
心筋には収縮に適した固有心筋と、興奮の発生と伝導に適した特殊心筋の2種類があります。心臓の拍動のリズムを決める刺激伝導系は特殊心筋で構成されています。(刺激伝導系は神経線維ではないことがよく出題されます。) 解剖学で「固有」という場合は、... -
生理3 循環
心周期のポイント
心臓の収縮・拡張のリズムを心周期といいます。 収縮期はさらに等容性収縮期と駆出期、拡張期は等容性弛緩期に分かれます。 試験では、弁が閉じているか、開いているかについてよく出題されます。 心周期の考え方についてコツをお話します。 まず、心周期... -
系統2.2 心臓
心臓の弁膜と線維束(線維輪と線維三角)
房室弁や動脈弁の付着部となる結合組織の輪を線維輪といい、線維輪の間を埋める結合組織を線維三角といいます。 そして線維輪と線維三角を合わせて線維束といい、心房と心室を区切っています。 線維輪は心臓の骨格としても働き、心房筋や心室筋はそれぞれ... -
系統10.5. 下肢
大坐骨孔(梨状筋上孔・梨状筋下孔)よりでる脈管・神経
こちらは殿部の筋群と神経・脈管を表した図です。 骨盤のアナと、通過するものの組み合わせはとてもよく出題されます。 大坐骨孔は梨状筋によって、梨状筋上孔と梨状筋下孔の2つに分けられます。まずは梨状筋上孔、梨状筋下孔と小坐骨孔について見ていき... -
系統2.3 動脈系
総腸骨動脈・内腸骨動脈とその枝
腹大動脈は第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に分岐します。総腸骨動脈はさらに内腸骨動脈と外腸骨動脈に分かれます。 内腸骨動脈は主に骨盤内臓、骨盤壁、下肢の近位部への枝を出します。 外腸骨動脈は、鼡径靱帯の下(血管裂孔)を通り、大腿動脈に移行... -
系統2.3 動脈系
下腸間膜動脈(腹大動脈の主に消化器系に至る臓側枝 ③)
こちらは、下腸間膜動脈の様子です。横行結腸後半より、下行結腸、S状結腸、直腸上部へと分布します。 上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の分布域の境界は横行結腸です。 横行結腸前半が上腸間膜動脈、横行結腸後半は下腸間膜動脈により主に栄養され、両者は吻...