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【一問一答】8.1.1 神経系 – 神経系概論

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【一問一答】8.1.1 神経系 – 神経系概論

【神経系の分類】

神経系は中枢神経系と末梢神経系に分けられる


×

(解答) ○
神経系は中枢神経系末梢神経系に分けられます。

脳神経は中枢神経系に含まれる


×

(解答) ×
脳神経は脳から出る末梢神経です。

  • 中枢神経系
    • 脳 (大脳・小脳・間脳・中脳・橋・延髄)
    • 脊髄 (頚髄・胸髄・腰髄・仙髄)
  • 末梢神経系
    • 脳神経 (I〜XII)
    • 脊髄神経 (C1〜8・T1〜12・L1〜5・S1〜5・Co)
末梢神経系は機能的に体性神経と自律神経に分けられる


×

(解答) ○
末梢神経系は機能的に体性神経自律神経に分けられます。

  • 体性神経
    • (求心性) 感覚神経
    • (遠心性) 運動神経
  • 自律神経
    • (求心性) 内臓求心性神経
    • (遠心性) 交感神経, 副交感神経


つまり、末梢神経を「脳神経・脊髄神経」に分ける場合は、外観的な分類。「体性神経・自律神経」に分ける場合は、機能的な分類です。

【灰白質と白質】

中枢神経内で、灰白質は (A.   ) 、白質は (B.   ) が集まる場所をいう

A. 神経細胞体 B. 神経線維
A. 神経線維  B. 神経細胞体

(解答) A. 神経細胞体 B. 神経線維
中枢神経内で、灰白質神経細胞体白質神経線維が集まっている場所をいいます。

大脳皮質 (外側)は (A.   ) 、大脳髄質 (内側) は (B.   ) でできている

A. 白質  B. 灰白質
A. 灰白質 B. 白質

(解答) A. 灰白質 B. 白質
大脳皮質灰白質大脳髄質白質でできています。

脊髄は外側が (A.   ) 、内側が (B.   ) でできている

A. 白質  B. 灰白質
A. 灰白質 B. 白質

(解答) A. 白質  B. 灰白質
脊髄外側白質(前索・側索・後索)、内側灰白質(前角・中間質(側角)・後角)でできています。(大脳や小脳と逆)


これは、丸暗記でなく、理解して覚えれば忘れることはありません。大脳は神経系で一番上にあります。ニューロンが軸索を伸ばすとしたら内下方に伸ばすしかないので、外側が灰白質、内側が白質です。脊髄は外に外に脊髄神経をだしていきます。なので外側が白質となっています。

中枢神経で白質の中に埋もれた灰白質の部分を (   ) という

神経節
神経核

(解答) 神経核
中枢神経で白質の中に埋もれた灰白質の部分神経核といいます。


大脳内にみられる神経核は大脳基底核といいます。

【末梢神経の特徴】

末梢神経の走行中で神経細胞体が集まり膨らみをなしている部分を (   ) という

神経節
神経核

(解答) 神経節
末梢神経の走行中で神経細胞体が集まり膨らみをなしている部分を神経節といいます。

(   神経と   神経) が神経節をもつ

感覚神経と運動神経
運動神経と自律神経
感覚神経と自律神経

(解答) 感覚神経と自律神経
感覚神経と自律神経が神経節を持ちます。(感覚神経節自律神経節

感覚神経節は神経節内にシナプスが (認められ  )

認められる
認められない

(解答) 認められない
感覚神経節では神経節内にシナプスは認められません
感覚神経を構成するニューロンは偽単極性ニューロンで、神経節に存在する細胞体から中枢側と末梢側の2方向に突起が伸びています。見た目に細胞体から1本の突起がでているように見えるので「偽単極性ニューロン」と呼ばれますが、実は2本が合わさったもので、すぐに中枢側と末梢側に別れます。

脊髄神経節は (A.   ) の神経節で (B.   ) に付属する

A. 自律神経 B. 前根
A. 感覚神経 B. 後根

(解答) A. 感覚神経 B. 後根
脊髄神経節感覚神経の神経節後根に付属します

自律神経節は神経節内にシナプスが (認められ  )

認められる
認められない

(解答) 認められる
自律神経節は神経節内にシナプスが認められます。自律神経節には節後ニューロンの細胞体が集まっています。自律神経節に見られるニューロンの形態は「多極性ニューロン」といい、一般的なニューロンの形態です。

【遠心性と求心性】

感覚神経は末梢からの刺激を中枢へ伝達する (  心性) の神経である

遠心性
求心性

(解答) 求心性
感覚神経は末梢からの刺激を中枢へ伝達する求心性の神経です

交感神経や副交感神経は (  心性) の神経である

遠心性
求心性

(解答) 遠心性
交感神経や副交感神経は遠心性の神経です。


神経の分類として「体性・臓性」「遠心性・求心性」で分類すると理解が深まります。

  • 体性求心性:感覚神経
  • 体性遠心性:運動神経
  • 臓性求心性:内臓求心性神経
  • 臓性遠心性:交感神経、副交感神経

※ この分類に、脳神経では「一般・特殊」という分類が加わります(後述)

【末梢神経切断の変性と再生】

神経線維が損傷した場合、その場所よりも末梢側の軸索が変性することを (  行性変性) という

順行性変性
逆行性変性

(解答) 順行性変性
神経線維が損傷した場合、その場所よりも末梢側の軸索が変性することを順行性変性といいます。

切断端から神経細胞体側に向かって変性が起こることを (  行変性) という

順行性変性
逆行性変性

(解答) 逆行性変性
切断端から神経細胞体側に向かって変性が起こることを逆行性変性といいます。細胞体自体に変性が及ぶとニューロンの消失につながります。

ワーラー変性とは (  行変性) のことをいう

順行性変性
逆行性変性

(解答) 順行性変性
順行性変性を別名、ワーラー変性といいます。

【神経膠細胞】

血液脳関門の構成に係わるのは (   細胞) である

星状膠細胞
希突起膠細胞
小膠細胞
上衣細胞

(解答) 星状膠細胞
血液脳関門の構成に係わるのは星状膠細胞です。


血液脳関門には2つの重要なキーワードがあります。ひとつは脳内の毛細血管同士がタイト結合でしっかり結合していること。(通常の毛細血管は少し隙間があるのが普通ですが、脳内の毛細血管はタイト結合で隙間なく結合し、閉じた毛細血管となっています)
星状膠細胞は星状に多数の突起をだし、脳内に分布する毛細血管の周囲を覆い、血管内よりグルコースを取り出して、ニューロンに送るという働きをしています。この仕組みを血液脳関門といいます。

中枢神経系で髄鞘を形成するのは (   細胞) である

星状膠細胞
希突起膠細胞
小膠細胞
シュワン細胞

(解答) 希突起膠細胞
中枢神経系髄鞘を形成するのは希突起膠細胞です。

末梢神経系で髄鞘を形成するのは (   細胞) である

星状膠細胞
希突起膠細胞
小膠細胞
シュワン細胞

(解答) シュワン細胞
末梢神経系髄鞘を形成するのはシュワン細胞です。

中枢神経内で食作用があり異物や有害物質の除去にあたるのは (   細胞) である

星状膠細胞
希突起膠細胞
小膠細胞
上衣細胞

(解答) 小膠細胞
中枢神経内で食作用があり異物や有害物質の除去にあたるのは小膠細胞です。

脳室や脊髄中心管の表面を覆うのは (   細胞) である

星状膠細胞
希突起膠細胞
小膠細胞
上衣細胞

(解答) 上衣細胞
脳室や脊髄中心管の表面を覆うのは上衣細胞です

【ニューロンの構造】

樹状突起は (A.  心性) 、軸索は (B.  心性) の興奮伝導を行う

A. 求心性 B. 遠心性
A. 遠心性 B. 求心性

(解答) A. 求心性 B. 遠心性
樹状突起は細胞体から多数でる短い突起で、他のニューロンの神経終末がシナプス接続し、発生した活動電位は求心性に細胞体に伝導されます。一方、細胞体から1本でる長い突起を軸索といい、活動電位を遠心性に伝導します。軸索末端は神経終末として他のニューロンや筋細胞などとシナプス接続をします。

興奮性ニューロンはシナプス後膜を (   分極) させる

脱分極
過分極

(解答) 脱分極
興奮性ニューロンはシナプス後膜を脱分極させます。

抑制性ニューロンはシナプス後膜を (   分極) させる

脱分極
過分極

(解答) 過分極
抑制性ニューロンはシナプス後膜を過分極させます。抑制性の神経伝達物質としてはGABAが有名です。


GABA入りのチョコレートも売られているようですが。GABAは経口摂取しても血液脳関門を通過できません。美味しいことによるリラックス効果でしょうか。どうなんでしょうね。

ひとつのニューロン内の活動電位の流れを (伝  ) という

伝導
伝達

(解答) 伝導
ひとつのニューロン内の活動電位の流れを伝導といいます。これは絶縁性・不減衰・両方向性の原則が当てはまります。

 

  • 絶縁性伝導:多数の神経線維が平行して神経線維束を作っている場合、1本の神経線維が興奮しても、隣接する他の神経線維には興奮が起こらない。
  • 不減衰伝導:神経の直径その他の性状が一様な場合は、興奮の大きさは減衰せずに一定の大きさで伝導する。
  • 両方向性伝導:生体外に摘出した神経線維の一部を刺激すると、そこで生じた興奮は軸索を両方向に伝導する。しかし生体内では興奮は通常決まった一方向に伝導する。この伝導を順行性伝導といい、それと反対方向の伝導を逆行性伝導という。

 

シナプスを経て、情報が次の細胞に伝わることを (伝  ) という

伝導
伝達

(解答) 伝達
シナプスを経て、情報が次の細胞に伝わることを伝達といいます。神経終末よりシナプス間隙に放出される化学物質を神経伝達物質といいます。

シナプス間の興奮伝達は (  方向性) である

一方向性
両方向性

(解答) 一方向性
シナプス間の興奮伝達一方向性です。


伝導はひとつのニューロン内の活動電位の流れで、実験的にニューロンの軸索の途中に電気刺激を加えた場合は両方向性に活動電位が伝わるので、両方向性といわれます。一方、シナプス間の情報伝達は一方向性です。これはリレーのバトンにたとえて考えてみるとわかりやすいかもしれません。第1走者から第2走者に渡されたバトンは、第1走者に戻されることはありません。伝達は一方向性です。

有髄神経と無髄神経で、活動電位が伝導する速度は速い方は (  髄神経) である

有髄神経
無髄神経

(解答) 有髄神経
有髄神経と無髄神経を比較した場合、有髄神経のほうが神経伝導速度が速いです。

有髄神経の活動電位は (   ) に発生する

髄鞘
ランビエ絞輪

(解答) ランビエ絞輪
髄鞘電気的絶縁部分で、有髄神経の活動電位は髄鞘と髄鞘の切れ目であるランビエ絞輪に発生します。

神経線維の直径が太いほど、興奮伝導の速度は (   い)

速い
遅い

(解答) 速い
神経線維の直径が太いほど、興奮伝導の速度は速いです。

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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