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【一問一答】2.2.3 循環器系 – 刺激伝導系・心臓の血管
【刺激伝導系】
心筋が収縮するための興奮を伝える刺激伝導系は無髄神経線維で構成される
○
×
(解答) ×
刺激伝導系は特殊心筋で構成されています。「刺激を伝導する系」という言葉より、神経っぽい印象を受けますが、神経ではありません。間違えないでください。 心筋には固有心筋と特殊心筋の2種類があります。
・固有心筋:収縮に適した心筋(いわゆる普通の心筋)
・特殊心筋:興奮の発生と伝導に適した(特殊な)心筋
※ 固有心筋は静止電位を持ちますが、特殊心筋は静止電位を持たないのが特徴です(だから特殊な心筋)。特殊心筋は、時間の経過とともに徐々に電位が上がっていき、自動的に閾値に達し活動電位を生じます。
特殊心筋線維は自発的に興奮を繰り返す能力をもつ。これを( 能)という
生成能
自動能
(解答) 自動能
特殊心筋線維は自発的に興奮を繰り返す能力をもち、これを自動能といいます。そのため、心臓は体外に取り出してもしばらくの間、自動的に拍動を続けます。この規則正しい律動的拍動のリズムは洞房結節で発生します。
洞房結節は( )に存在する
右心房の上大静脈開口部付近
右心房の下壁
線維三角を貫通
(解答) 右心房の上大静脈開口部付近
洞房結節は特殊心筋線維の集まった部位で、右心房の上大静脈開口部付近に位置しています。周期的に興奮が発生し、心臓拍動のリズムを決めるペースメーカーとして機能します。
右心房の下壁に存在する刺激伝導系の部位は( )である
洞房結節
房室結節
房室束
(解答) 房室結節
右心房の下壁に存在する特殊心筋の集まりを房室結節といいます。 右心房の下壁ということは、壁を隔てた先は心室ということです。だから「房・室・結節」。
ですが、注意したいのは房室結節の興奮は直接心室へは広がりません。心房と心室は線維束(線維輪+線維三角)という結合組織で仕切られているからです。
心房と心室を連絡する特殊心筋線維は( )である
房室結節
房室束
左脚・右脚
(解答) 房室束
心房と心室とを連絡する特殊心筋線維を房室束 (ヒス束) といいます。心房と心室は線維束で仕切られているので、心房と心室間の興奮伝導は 房室束 (ヒス束) のみで行われます。
心室中隔を下行する特殊心筋線維は( )である
房室束
左脚・右脚
プルキンエ線維
(解答) 左脚・右脚
線維三角を貫通した房室束は、心室中隔に入る右脚と左脚に分かれます。
プルキンエ線維は( )を分岐しながら走行する
心筋層
心内膜下
(解答) 心内膜下
心室中隔を下行した右脚と左脚は、それぞれ右心室と左心室の壁でプルキンエ線維となり、心内膜下を細かく分枝しながら網の目のように走ります。プルキンエ線維の末端は一般の心筋に移行して、興奮を心室全体に伝えます。
虚血などにより房室束の伝導が妨げられると、心房と心室は同調して収縮しなくなり、それぞれ独立した収縮を始める。これを( )という
狭心症
房室ブロック
(解答) 房室ブロック
刺激伝導系は洞房結節 – 房室結節 – 房室束 – 左脚・右脚 – プルキンエ線維 とそれぞれが自動能を持っていますが、上位の特殊心筋ほど、刺激発生頻度が短くなっています。そのため、通常は一番上位の洞房結節の刺激発生頻度に従い、下位は閾値に達します。
虚血などにより房室束の伝導が妨げられると、心房と心室は同調して収縮しなくなり、それぞれ独立した収縮を始めます。これを房室ブロックといいます。心室に分布する刺激伝導系の刺激発生頻度は少ないため、房室ブロックでは徐脈になります。
【心臓の血管】
心臓を養う栄養血管は( 動脈)である
内胸動脈
上横隔動脈
冠状動脈
(解答) 冠状動脈
心臓は、自身の内腔に満ちた血液で養われるのではなく、主に大動脈の基部から出る左右の冠状動脈により栄養されています。
後室間枝は( 冠状動脈)の枝である
右冠状動脈
左冠状動脈
(解答) 右冠状動脈
右冠状動脈は大動脈基部の前面から出て、右心耳と右心室の間を通って冠状溝を右に回って心臓の後面に達します。ここで後室間枝となって後室間溝を心尖に向かって下行します。
前室間枝は( 冠状動脈)の枝である
右冠状動脈
左冠状動脈
(解答) 左冠状動脈
左冠状動脈は大動脈基部の左側から出て、肺動脈と左心耳の間を通って冠状溝に達します。ここで前室間枝となって心臓の前面(前室間溝)を下行し心尖に向かいます。
これは左前(ヒダリマエ)と覚えると良いです。
・左右の冠状動脈は、ヒダリマエ
・肺動脈弁は大動脈弁のヒダリマエ
前室間溝を通る静脈は( 心臓静脈)である
中心臓静脈
大心臓静脈
(解答) 大心臓静脈
前室間溝を通る静脈は大心臓静脈です。「ヒダリマエ、大きいのがアタリマエ」
後室間溝を通る静脈は( 心臓静脈)である
中心臓静脈
大心臓静脈
(解答) 中心臓静脈
後室間溝を通る静脈は中心臓静脈です。
心臓後面の冠状溝は心臓の静脈が集められる ( ) があり、右心房の後面に注ぐ
大心臓静脈
冠状静脈洞
中心臓静脈
(解答) 冠状静脈洞
前室間溝を走る大心臓静脈や、後室間溝を走る中心臓静脈などの心臓の静脈の大半は、心臓後面の冠状溝を走る太い冠状静脈洞に集まり、右心房の後面に注ぎます。
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- 【一問一答】2. 循環器系
- 2.1.1 循環器系 – 循環の概要:体循環と肺循環
- 2.1.2 循環器系 – 血管の構造
- 2.2.1 循環器系 – 心臓の位置・心膜・心臓の壁
- 2.2.2 循環器系 – 心房と心室・弁膜
- 2.2.3 循環器系 – 刺激伝導系・心臓の血管
- 2.3.1 循環器系 – 動脈系 (1) 肺循環、上行大動脈〜胸大動脈
- 2.3.2 循環器系 – 動脈系 (2) 腹大動脈〜総腸骨動脈・内腸骨動脈
- 2.4.1 循環器系 – 静脈系 (1) 肺循環の静脈系、上大静脈に注ぐ枝
- 2.4.2 循環器系 – 静脈系 (2) 下大静脈、門脈系、骨盤内臓の静脈
- 2.5 循環器系 – 胎児循環
- 2.6.1 循環器系 – リンパ系の全体像、リンパ管の走行
- 2.6.2 循環器系 – リンパ系の器官
- 2.7 循環器系 – 上肢の脈管
- 2.8 循環器系 – 下肢の脈管
- 2.9.1 循環器系 – 頭頸部の脈管 (1) 動脈
- 2.9.2 循環器系 – 頭頸部の脈管 (2) 静脈・リンパ
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