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【一問一答】1-3-4 人体の構成 – 皮膚の付属物(毛・爪・皮膚腺)
【毛】
毛は、( 皮)の変形したものである。
表皮
真皮
皮下組織
(解答) 表皮
毛も爪も表皮の変形したものです。
毛は、表皮が深く落ち込みその下端部でつくられて外に向かって伸び、皮膚の表面から出たものです。
毛は皮膚の表面から外部に出ている(A. )と、皮膚の内部に埋まっている(B. )からなる。
A. 毛根 B. 毛母基
A. 毛幹 B. 毛根
A. 毛包 B. 毛乳頭
(解答) A. 毛幹 B. 毛根
毛は皮膚の表面から外部に出ている毛幹と、皮膚の内部に埋まっている毛根からなります。また、毛根の下端はふくらみ毛球といいます。
皮膚の中にもぐった毛根は( )という袋に包まれる。
毛包
毛帯
毛乳頭
(解答) 毛包
皮膚の中にもぐった毛根は毛包という袋に包まれます。毛包の深部先端から毛球に向かって、結合組織性の毛乳頭が入り込んでいます。毛乳頭をドーム状におおう上皮細胞の集団が毛母基で、この細胞が分裂して毛を発育させます。
脂腺は( )に付属する。
毛包
汗孔
(解答) 毛包
脂腺は毛包に付属します。何日も髪を洗わないとすこしベタベタしてくることもあると思います。毛包に脂腺が開口しているからです。
体表で脂腺の分布していない部位は( と )である。
手掌と足底
頭と顔
(解答) 手掌と足底
脂腺の分布していない部位を問われることがよくあります。脂腺は毛包に付属するものなので、体表で毛の無い部分を考えます。うぶ毛さえも無い部分は手掌と足底です。
※ 唇も毛がまったくない部位ですが、例外的に独立脂腺という毛包に付属しない脂腺が唇にはあります。例外も大切にして覚えると、どんどん理解が深まってきます。
立毛筋は毛根に付着する。
○
×
(解答) ×
立毛筋は毛包に付着します。毛根を包んでいるのが毛包です。立毛筋は毛を立てるとともに脂腺の分泌を助けます。
立毛筋は( 神経)支配である。
交感神経
副交感神経
運動神経
(解答) 交感神経
立毛筋は交感神経の単独支配です。
通常、自律神経は交感神経と副交感神経の双方による支配で、これを二重支配といいます。そして交感神経と副交感神経は働きが逆であるのが普通で、これを拮抗支配といいます。
皮膚の汗腺・血管・立毛筋は交感神経の単独支配であることがポイントです。
【爪】
爪は、( 皮)の変形したものである。
表皮
真皮
皮下組織
(解答) 表皮
毛も爪も表皮の変形したものです。
爪は表皮の角質層が特にかたく、特殊に変形してできたものです。
爪は膠原線維が密に織りなす密性結合組織でできている。
○
×
(解答) ×
間違えないでください。爪は表皮の変形したものです。
表皮は角化重層扁平上皮。真皮が密性結合組織です。
爪は表皮が変形したものなので、結合組織ではありません。角化重層扁平上皮の角化とはケラチンが蓄積していくということ。爪はケラチンが特に集まり固くなったものです。
【皮膚腺】
小汗腺は( 汗腺)ともいう。
エクリン汗腺
アポクリン汗腺
(解答) エクリン汗腺
汗腺にはエクリン汗腺(小汗腺)とアポクリン汗腺(大汗腺)の2種類があります。
エクリン汗腺は全身に広く分布し、汗を体表に分泌する。
○
×
(解答) ○
エクリン汗腺は全身に広く分布し、汗を体表に分泌します。
温熱性発汗は、外気温が上昇したときに起こる発汗で全身に発汗が起こります。
精神性発汗では、精神的な緊張の際に外気温に直接影響を受けることなく、手掌や足底に発汗が起こります。
エクリン汗腺は( 神経)支配を受ける。
交感神経
副交感神経
運動神経
(解答) 交感神経
エクリン汗腺は交感神経の単独支配です。
皮膚の汗腺・血管・立毛筋は交感神経の単独支配であることがポイントです。
通常交感神経節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンですが、汗腺を支配する交感神経節後線維の末端からは副交感神経と同じアセチルコリンが放出されます。これをコリン作動性といいます。何故汗腺を支配する交感神経はコリン作動性なのでしょうか。汗は血液の液体成分、血漿からつくられます。血管を支配する交感神経節後線維からはノルアドレナリンがでて、血管を収縮させます。
もし、汗腺を支配する交感神経節後線維の末端からノルアドレナリンが出たとすると、周囲の血管を収縮させてしまい、汗を分泌するのに不都合であるので、汗腺のみアセチルコリンを放出するようになったと考えられます。
エクリン汗腺の分泌形式は( 分泌)である。
開口分泌
離出分泌
全分泌
(解答) 開口分泌
エクリン汗腺は開口分泌により分泌されます。
アポクリン汗腺は( 汗腺)ともいう。
小汗腺
大汗腺
(解答) 大汗腺
これは簡単ですね。エクリン汗腺は小汗腺、アポクリン汗腺は大汗腺。しっかり別名も覚えてください。
アポクリン汗腺は( )に分布する。
腋窩や肛門周囲
手掌や足底
(解答) 腋窩や肛門周囲
アポクリン汗腺は腋窩に多く、そのほか乳輪や肛門の周囲などの特定の場所に分布します。
アポクリン汗腺の分泌形式は( 分泌)である。
開口分泌
離出分泌
全分泌
(解答) 離出分泌
アポクリン汗腺はエクリン汗腺よりも腺腔が広く、アポクリン分泌(離出分泌)により分泌が行われます。脂肪やタンパク質に富む汗を出し、細菌によって分解されると特有のにおいを発し体臭のもととなります。ヒトではかなり退化していますが、その他の哺乳動物ではフェロモンとして機能します。
アポクリン汗腺は毛包に付属する。
○
×
(解答) ○
毛包に付属するものとしては脂腺が代表的ですが、アポクリン汗腺も毛包に付属します。アポクリン汗腺は腋窩に存在します。腋窩にはわき毛があります。わき毛の毛包に開いているんだなって思えば覚えられます。
脂腺は( 分泌)を行う。
開口分泌
アポクリン分泌(離出分泌)
ホロクリン分泌(全分泌)
(解答) ホロクリン分泌(全分泌)
脂腺の腺細胞は、細胞内に脂肪を多く含む分泌物が溜まっていき、細胞ごと変性して分泌物となります。これを全分泌(ホロクリン分泌)といいます。脂腺が分泌する脂質は皮膚や毛につやを与えて表面を柔らかくする働きがあります。
乳腺の分泌物は脂肪やタンパク質を多く含む乳汁で、その分泌様式は( 分泌)である。
開口分泌
アポクリン分泌(離出分泌)
ホロクリン分泌(全分泌)
(解答) アポクリン分泌(離出分泌)
乳腺は脂肪やタンパク質を多く含む乳汁をアポクリン分泌により分泌します。
乳児が乳頭を吸うとその刺激で下垂体後葉から( )が放出され、その作用を受けてこの筋が収縮して乳汁を放出する。
オキシトシン
バソプレッシン
プロラクチン
(解答) オキシトシン
乳汁を出すホルモンは下垂体後葉からのオキシトシンです。
乳汁産生を促すホルモンは下垂体前葉からのプロラクチンです。
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- 【一問一答】1. 人体の構成
- 【一問一答】1-1-1 人体の構成 – 細胞 (1) 細胞の構造
- 【一問一答】1-1-2 人体の構成 – 細胞 (2) 細胞分裂と遺伝子
- 【一問一答】1-2-1 人体の構成 – 上皮組織
- 【一問一答】1-2-2 人体の構成 – 結合組織 (1) 線維性結合組織
- 【一問一答】1-2-2 人体の構成 – 結合組織 (2) 軟骨組織
- 【一問一答】1-2-2 人体の構成 – 結合組織 (3) 骨組織
- 【一問一答】1-2-2 人体の構成 – 結合組織 (4) 血液
- 【一問一答】1-2-3 人体の構成 – 筋組織
- 【一問一答】1-2-4 人体の構成 – 神経組織
- 【一問一答】1-3-1 人体の構成 – 皮膚の表面積と熱傷
- 【一問一答】1-3-2 人体の構成 – 皮膚の構造
- 【一問一答】1-3-3 人体の構成 – 皮膚の神経・血管
- 【一問一答】1-3-4 人体の構成 – 皮膚の付属物(毛・爪・皮膚腺)
- 【一問一答】1-4 人体の構成 – 人体の区分と方向
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