(あマ指-1995-25)
問題4-b1 口蓋によって口腔から隔てられる腔所はどれか
1.頭蓋腔
2.鼻腔
3.咽頭腔
4.喉頭腔
(解答 2)
口蓋は口腔の天井をなし、上方にある鼻腔から隔てられる。口蓋の前2/3は上顎骨と口蓋骨でできた骨の支柱を持つ硬口蓋、後1/3は筋肉とそれをおおう粘膜とでできた軟口蓋よりなる。口蓋の中央には前後に走る高まりがあり、口蓋縫線という。
軟口蓋の後部中央に、上方から口蓋垂がぶら下がる。軟口蓋は内部の横紋筋の収縮により変形する。ものを飲み込む(嚥下運動)ときに軟口蓋は挙上して鼻腔と咽頭のつながりを遮断し、飲食物が鼻腔に入らないようにする。睡眠中に軟口蓋の筋の緊張がゆるむと、軟口蓋が呼吸とともに振動してイビキとなる。 (p.72 口蓋・軟口蓋)
(あマ指-2002-26)
問題4-b2 口腔について誤っている記述はどれか。
1.歯根膜はセメント質の周囲にある。
2.口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
3.軟口蓋は口蓋の前方にある。× 後方
4.舌筋の一部は下顎骨から起こる。(オトガイ舌筋)
(解答 3)
(理作-2002-13)
問題4-b3 正しいのはどれか。
1.舌筋は平滑筋である。横紋筋
2.舌筋は舌下神経支配である。○
3.味覚は三叉神経支配である。前2/3顔面神経 後1/3舌咽神経
4.口蓋帆は軟口蓋の前方にある。 後方
軟口蓋の後部を口蓋帆といい、その正中部は後下方に垂れ突出して口蓋垂となります。
5.舌根は口峡の上壁である。下壁
(解答 2)
【参考ページ】
口峡の側壁に口蓋扁桃がある (軟口蓋・口蓋帆・口蓋垂) 【国試問題付き】
(鍼灸-2003-22)
問題4-b4 舌について誤っている記述はどれか。
1.糸状乳頭の上皮は角化する。
2.舌根は咽頭の前壁の一部である。
3.内舌筋の支配神経は舌咽神経である。× 舌下神経
4.舌扁桃は分界溝より後方にある。
(解答 3)
(柔整-2003-11)
問題4-b5 正しい組合せはどれか。
1.口峡 ─── 口腔前庭と固有口腔との間 口腔と咽頭の間
口蓋垂から伸びるアーチと舌根によって固まれた空間が口峡。その奥に咽頭がある。
2.口蓋 ─── 口腔と咽頭との間 口腔と鼻腔
3.唇紅 ─── 口唇の皮膚と粘膜との間 ○
4.分界溝 ── 舌背と舌尖との間 舌体と舌根
(解答 3)
(鍼灸-2004-22)
問題4-b6 口腔内器官で誤っている記述はどれか。
1.顎下腺管は口腔前庭に開口する。
顎下腺・舌下腺 → 舌下小丘(口腔底)/ 耳下腺 → 口腔前庭
2.口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
3.小臼歯は乳臼歯に代わって生える。
4.舌扁桃は分界溝の後方にある。
(解答 1)
唾液腺 | 腺の分類 | 開口部位 | 副交感神経 (分泌促進) |
交感神経 (分泌促進) |
---|---|---|---|---|
耳下腺 | 漿液腺 | 口腔前庭 | 舌咽神経 IX | 交感神経 (T1∼T2) |
顎下腺 | 混合腺 (漿液+粘液) |
舌下小丘 (口腔底) |
顔面神経 VII | |
舌下腺 |
(あマ指-2006-21)
問題4-b7 舌筋の運動を支配する神経はどれか。
1.舌神経
GSA:下顎神経V3の枝。舌前2/ 3の味覚を除く知覚を支配する。
2.舌咽神経
SVE:茎突咽頭筋や上部咽頭筋の運動性支配
GVE:耳下腺の分泌。
GSA:耳介後方の小領域の一般体性知覚
GVA:鼓室・耳管・咽頭・舌後方 1/ 3 の一般臓性知覚
SVA:舌後方 1/ 3 の味覚
3.迷走神経
SVE:喉頭と咽頭の筋の運動性支配
GVE:腹部臓器の平滑筋や腺の副交感性支配
GSA:耳介後方と外耳道後壁の一般体性知覚
GVA:喉頭蓋、喉頭、咽頭、胸・腹部臓器の一般臓性知覚
SVA:喉頭蓋の味覚
4.舌下神経 ○
GSE:舌筋の運動性支配
(解答 4)
【参考】脳神経および脳神経核の分類 | anatomy tokyo
(鍼灸-2006-21)
問題4-b8 舌の分界溝の前に一列に並ぶのはどれか。
1.糸状乳頭
舌苔の背面全域に存在。表層の上皮は角化し白く見える。(味蕾無し)
2.茸状乳頭
糸状乳頭の間に散在。生体では赤い粒として見える。(味蕾有り)
3.有郭乳頭
分界溝の前に8~12個ほど並ぶ大きな乳頭。(味蕾有り)
4.葉状乳頭
舌体の側面に4~5本みられる粘膜ヒダ。(味蕾有り)
(解答 3)
【参考】4種類の舌乳頭(糸状乳頭・茸状乳頭・有郭乳頭・葉状乳頭)【国試問題付き】
(柔整-2006-57)
問題4-b9 味蕾が存在しないのはどれか。
1.糸状乳頭
2.茸状乳頭
3.葉状乳頭
4.有郭乳頭
(解答 1)
糸状乳頭は舌背部の全域に分布している。舌表面にビロード状の外観を与える。先端にある上皮の角化により舌全体が白っぽく見える。舌をざらざらにして食物を舐めとりやすくし、また舌の感覚を鋭敏にする働きがある。舌乳頭のうち糸状乳頭のみ味蕾をもたない。
(理作-2006-10)
問題4-b10 舌の機能と神経支配との組合せで誤っているのはどれか。
1.運動 ───────── 舌下神経
2.前2/3の体性感覚 ─── 三叉神経
3.後1/3の体性感覚 ─── 舌咽神経
4.前2/3の味覚 ───── 顔面神経
5.後1/3の味覚 ───── 迷走神経 舌咽神経
(解答 5)
(鍼灸-1997-21)
問題4-b11 導管が口腔前庭に開口するのはどれか。
1.耳下腺 ○ 口腔前庭
2.舌下腺 舌下小丘
3.舌腺 後述
4.顎下腺 舌下小丘
(解答 1)
(四択にするために無理やり入れた選択肢なので気にしなくてもOK)
(鍼灸-2008-22)
問題4-b12 唾液腺について誤っている記述はどれか。
1.耳下腺は顔面神経に貫かれる。
顔面神経の運動線維は茎乳突孔から頭蓋の外に出て、耳下腺を貫きながら分岐し、表情筋群に分布する。(p. 138)
2.耳下腺管は口腔前庭に開口する。
3.舌下腺管は口腔底に開口する。
4.顎下腺の分泌には舌咽神経が関与する。顔面神経
(解答 4)
参考)東洋療法学校協会編, 解剖学 第2版; p.138-139(末梢神経系 – 脳神経)
(柔整-2012-42)
問題4-b13 外分泌腺と開口部位との組合せで正しいのはどれか。
1.耳下腺 ─── 口腔底 口腔前庭
2.顎下腺 ─── 舌下小丘 ○ (口腔底)
3.舌下腺 ─── 舌盲孔 舌下小丘 (口腔底)
4.口唇腺 ─── 固有口腔 口唇粘膜中の混合腺 (口腔前庭)
(解答 2)
参考)小川鼎三他, 分担解剖学 3 感覚器学・内臓学; p.140-147(消化器 – 唾液腺)
(あマ指-1995-23)
問題4-b14 歯について正しい記述はどれか。
1.永久歯は20本ある。32本
2.臼歯の数は乳歯も永久歯も同じである。乳歯は大臼歯が存在しない
3.下顎歯の痛覚は舌下神経で伝えられる。下顎神経 V3
4.主にカルシウムでつくられている。○
(解答 4)
乳歯
乳歯は上顎・下顎、左右で5本ずつ、計20本ある。切歯2本、犬歯1本、乳臼歯2本の5本である。歯根は切歯・犬歯では1本であるが、上顎の臼歯は3本、下顎の臼歯は2本に分岐している。
- 切歯 (i incisors):正中から1番目と2番目の平たい歯
- 犬歯 (c canine):正中から3番目の尖った歯
- 乳臼歯 (molars):正中から4番目と5番目。成人の小臼歯に相当する。いわゆる奥歯として機能するので、広い咬合面をもつ。
永久歯
永久歯は上顎・下顎、左右で8本ずつ、計32本ある。切歯2本、犬歯1本、小臼歯2本、大臼歯3本の8本である。歯根は切歯・犬歯は1本、上顎の小臼歯は2本、下顎の小臼歯では1本。上顎の大臼歯は3本、下顎の大臼歯は4本に分岐している。
- 切歯 (I incisors):ノミのような形で、名前のとおり物を噛み切るのに適する。上顎の切歯は下顎の切歯に比べて大きく、特に上顎第1切歯が最も大きい。
- 犬歯 (C canine):最も長い歯で、槍の穂先のようにとがっている。裁縫の際に糸を引っ掛けて切るのに用いられるので、俗に糸切り歯ともいう。上顎の犬歯の並びが悪く、外側に飛び出た状態は俗に八重歯と呼ばれる。
- 小臼歯 (P premolars):歯冠の咬合面は2つの高まり(歯冠結節)を持つ。
- 大臼歯 (M molars):第1大臼歯が最大で、後ろにいくほど小さくなる。歯冠の咬合面は3〜5個の高まり(歯冠結節)を持つ。
(あマ指-1997-26)
問題4-b15 歯槽骨と結合する歯の部位はどれか。
1.エナメル質
2.象牙質
3.セメント質
4.歯髄
(解答 3)
(柔整-1997-10)
問題4-b16 永久歯の数について誤っている組合せはどれか。
1.切歯 ─── 8本
2.犬歯 ─── 8本 4本
3.小臼歯 ── 8本
4.大臼歯 ── 12 本
(解答 2)
切歯 | 犬歯 | 小臼歯 | 大臼歯 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
乳歯 | 2 | 1 | 2 | 0 | 20 |
永久歯 | 2 | 1 | 2 | 3 | 32 |
(柔整-2001-11)
問題4-b17 歯の組織で最も硬いのはどれか。
1.象牙質
2.セメント質
3.エナメル質
4.歯根膜
(解答 3)
エナメル質はあらゆる組織の中で最も硬く、そのほとんどがカルシウムを含む無機質からなります。
(あマ指-2003-23)
問題4-b18 歯根の表面を構成しているのはどれか。
1.象牙質
2.エナメル質
3.セメント質 ○
4.歯肉
(解答 3)
歯の主体はゾウゲ質。歯根と歯冠で覆うものが違う。
【歯冠】ゾウゲ質 – エナメル質
【歯根】ゾウゲ質 – セメント質 – 歯根膜 – 歯槽骨
(柔整-2007-42)
問題4-b19 歯根膜と接しているのはどれか。
1.歯髄
2.象牙質
3.エナメル質
4.セメント質 ○
(解答 4)
(看護-2006-午前8)
問題4-b20 乳歯がはえそろう時期はどれか。
1.1歳6か月
2.2歳6か月 ○
3.3歳6か月
4.4歳6か月
(解答 2)
乳歯
- 第1切歯 (6-8月)
- 第2切歯 (7-12月)
- 第1乳臼歯 (12-16月)
- 犬歯 (15-20月)
- 第2乳臼歯 (20-30月)
永久歯
- 第1大臼歯 (6-7年)
- 第1切歯 (7-8年)
- 第2切歯 (8-9年)
- 第1小臼歯 (9-11年)
- 犬歯 (11-13年)
- 第2小臼歯 (11-15年)
- 第2大臼歯(13-16年)
- 第3大臼歯 (17-40年)
参考)小川鼎三他, 分担解剖学 3 感覚器学・内臓学; p.148(口腔 – 歯の種類と形状)
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