細胞間の情報交換に関与するのはどれか (2013年 あマ指 問題16)
1 × 接着帯
接着帯はタイト結合のすぐ下にあり、少し隙間 (20nm) が開いていて、そこにカドヘリンという細胞間結合物質がつまっている。この部に面する細胞膜の内面には裏打ち構造が認められ、アクチンフィラメントが集まり、細胞同士を接着する。(p.12 細胞間結合装置)
2 × タイト結合(密着帯)
タイト結合は細胞の側面で最も表層部にあり、細胞の周りを帯状に取り囲む。タイト結合の特徴は細胞同士をぴったりと密着させ、物質通過を阻止することにある。ジップロックのようにぴったりと締めて漏らさないのがタイト結合だ。脳内の毛細血管の内皮細胞間はタイト結合が発達し血液脳関門を形成する。(p.12 細胞間結合装置)
3 × デスモゾーム(接着斑)
デスモソームは直径0.2~0.5μmのボタン型タンパク質とカドヘリンによる接着である。細胞同士の結合を強める働きをする。2枚の布を2個のボタンを介して糸で綴じ合わせたような構造をしている。皮膚の表皮に見られる重層扁平上皮の細胞間で特に発達している。(p.12 細胞間結合装置)
4 ○ ギャップ結合(細隙結合)
ギャップ結合には斑状の結合部位に直径2nmほどの小さな孔が開いていて、イオンや糖、アミノ酸などの低分子の物質を通過させ、上皮細胞間の情報交換を行う。特に心筋細胞間に発達している。(p.12 細胞間結合装置)
細胞問結合装置(p.11 細胞問結合装置)
上皮細胞には隣接する細胞の連結を強めるために細胞間結合装置と総称される特殊な構造が存在することが電子顕微鏡の観察により明らかにされた。細胞間結合装置には4種類が知られるが、それぞれは細胞の種類によりその発達の程度は異なる。
タイト結合(密着帯)
タイト結合は細胞の側面で最も表層部にあり、細胞のまわりを帯状に取り囲む。隣り合う細胞膜のタンパク分子が相接し、それが網状あるいは平行に続く。これが発達していると細胞問を液体も含めてすべての物質の通過が阻止される。タイト結合は毛細血管の内皮細胞間に発達し血液脳関門を形成する。
接着帯
接着帯はタイト結合のすぐ下にあり、同じく細胞周囲を帯状に取り巻く。細胞間隙は20nmと開いており、そこにカドへリンという細胞間結合物質がつまっている。この部に面する細胞膜の内面には裏打ち構造が認められ、アクチンフィラメントが集まり、細胞どうしを接着する。
デスモソーム(接着斑)
デスモソームは直径0.2~0.5μmの丸い斑状の細胞間結合装置である。ここの細胞間隙も20nmと聞き、中央にはカドへリンが高密度に挟まる。またこの部に面する細胞膜にも厚い裏打ち構造が認められ、中間径フィラメントが集まる。デスモソームは皮膚の表皮に見られる重層扁平上皮の細胞間では、特に発達している。
ギャップ結合(細隙結合)
ギャップ結合も斑状をしているが、その大きさは直径が0.02~5μmとさまざまである。ギャップ結合の名前が示すように、隣接する細胞の聞の間隙は2nmと近接している。そして、相対する細胞膜のタンパク質が相接し、そこに聞いたイオンチャネルの孔は2枚の細胞膜を貫通する。この孔の直径は2nmで、イオン、糖、アミノ酸などの低分子の物質を通過させ、上皮細胞間の情報交換を行う。特に心筋細胞間に発達したギャップ結合は心筋の強力な収納を可能にする。
心筋の特徴(生理学 p.225 心筋と平滑筋)
心筋は骨格筋と同様に細胞内にアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが規則正しく配列した横紋構造を持つ。心筋は、骨格筋と同様に多数の筋線維からできているが、心筋の各筋線維は隣接する細胞とギャップ結合によって電気的に連絡しており、多数の心筋線維は同時に興奮してあたかも1個の筋線維のように働く。このため、心筋を機能的合胞体ともいう。心筋の活動電位の不応期は骨格筋に比べて非常に長く、そのため心筋の収縮は常に単収縮のみであって、骨格筋のように強縮を起こすことはない。心筋のこの性質は、心臓のポンプ機能に都合がよい。
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