斜角筋隙を通過するのはどれか (2012年 あマ指 問題22)
1 × 横隔神経:胸郭上口より胸腔を下行し横隔膜に分布
頸神経 C1~4の前枝は交通して頸神経叢をつくる。C4を中心として発する横隔神経は、胸郭上口から胸腔を下行して横隔膜を支配する。(p.141 脊髄神経の分布先)
2 ○ 腕神経叢:鎖骨下動脈とともに斜角筋隙を通過
下位の頸神経 (C5~T1) の前枝は上肢に向かって“神経のくさむら”のような腕神経叢をつくる。腕神経叢は斜角筋隙を出て肋鎖間隙から腋窩に達する。(p.259 上肢の神経)
腕神経叢は斜角筋隙を通った後、鎖骨と第1肋骨の間、そして大鎖骨上窩の深部を通り腋窩に至る。(p.315 腕神経叢)
3 × 内頸動脈:頚動脈管より頭蓋内に入る
総頸動脈は甲状軟骨上縁の高さで内頸動脈と外頸動脈になる。頸部では枝を出さずに側頭骨の頸動脈管を通り破裂孔の上で頭蓋内に出てくる。ここで下垂体や眼窩への枝(眼動脈)を出したのちクモ膜下腔へ入り、脳の血管となる。起始部はふくらんで頸動脈洞となる。内頸動脈の枝として、眼動脈・前大脳動脈・中大脳動脈・後交通動脈がある。(p.305 総頸動脈)
4 × 鎖骨下静脈:斜角筋隙は通過しない
鎖骨下静脈は前斜角筋の前を走行するので、斜角筋隙は通過しない。(p.316 図10–157 斜角筋隙と鎖骨下動脈・静脈)
鎖骨下静脈は鎖骨の胸骨端近くと第1肋骨の間にある短いが太い静脈である。外側部で外頸静脈が合流し、内側端で内頸静脈と合流して腕頭静脈になる
斜角筋隙と斜角筋症候群
腕神経叢と鎖骨下動脈は、第1肋骨上面で、前斜角筋と 中斜角筋との間にできた隙間(斜角筋隙)を通過し、鎖骨の下にでる。
斜角筋隙にて腕神経叢や鎖骨下動脈が絞扼をうけ、上肢に痛みやシビレが生じる場合、これを斜角筋症候群という。鑑別法としてアドソン・テストやアレン・テストがある。
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