頭蓋骨で2個あるのはどれか (2015年 鍼灸 問題17)
1 × 篩骨
篩骨は、蝶形骨体の前、前頭骨の後ろにある骨で、内頭蓋底でもあり、鼻腔の上部でもあるほか、眼窩の構成にも関与する。篩骨の主体をなす中央部は、2枚の平たい骨の板が水平と垂直に交叉した十字型の部分で、水平の板の両端には鼻腔の壁をなす篩骨迷路が下がる。(p.207 篩骨)
2 × 鋤骨
鋤骨は、篩骨の垂直板の下方で鼻中隔の下部をつくる板状の骨で、ウシに引かせて土を掘り起こす鋤に似ているところからこの名がある。(p.209 口蓋骨・下鼻甲介・鋤骨)
3 ○ 鼻骨
鼻骨は、鼻根部(メガネが鼻に当たる部分)をつくる長方形の小さな扁平骨で、左右1対ある。(p.207 鼻骨・涙骨・頬骨)
4 × 舌骨
舌骨は、甲状軟骨の上方にある馬蹄形の骨で、顔面骨から完全に遊離し、筋の付着によってその位置を保っている。体表から、甲状軟骨(のどぽとけ)の上縁よりおよそ1横指上方に触れる。(p.209 舌骨)
頭蓋骨は、脳頭蓋と顔面頭蓋の骨に大別される。頭蓋の上方は脳頭蓋として頭蓋腔を形成して中枢神経の脳を保護するので、別名 神経頭蓋ともいう。一方、頭蓋の下方は、顔面頭蓋として眼窩・鼻腔・口腔などの臓器の入口を囲むので、別名 内臓頭蓋とも呼ばれる。脳頭蓋が顔面頭蓋よりも大きく発達するのはヒトの特徴である。 (p.198 脳頭蓋)
脳頭蓋 (神経頭蓋)
頭蓋腔の形成には、6種8個の頭蓋骨が関与する。2種は左右で対をなす骨であり、4種が無対性の骨である。頭蓋腔を部屋にたとえると、ドームのような屋根になる部分を頭蓋冠といい、床になる部分を頭蓋底という。
- 前頭骨 1個
- 頭頂骨 2個 (有対性)
- 側頭骨 2個 (有対性)
- 後頭骨 1個
- 篩骨 1個
- 蝶形骨 1個
顔面頭蓋 (内臓頭蓋) (p.203 顔面頭蓋)
顔面をつくり、眼窩・鼻腔・口腔などの基礎をなす顔面頭蓋は 9種15個の顔面骨によってつくられる。6種は左右対をなす有対性の骨であり、3種は対をなさない無対性の骨である。
- 上顎骨 2個 (有対性)
- 頬骨 2個 (有対性)
- 涙骨 2個 (有対性)
- 鼻骨 2個 (有対性)
- 下鼻甲介 2個 (有対性)
- 鋤骨 1個
- 口蓋骨 2個 (有対性)
- 下顎骨 1個
- 舌骨 1個
よって、問題の選択肢中で対をなしている(2個ある)ものは、鼻骨である。
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