間膜と付着部との組合せで正しいのはどれか (2013年 鍼灸 問題22)
1 ◯ 肝冠状間膜 ─── 横隔膜
肝臓の上面と後面を被う腹膜は横隔膜の下面を被う腹膜に連なる。肝臓を被う腹膜が横隔膜を被う腹膜に移行するところが肝冠状間膜である。【解剖学講義 p.265 肝臓と腹膜の関係】(p.88 図4–21 腹膜 A) 腹部の矢状断)
2 × 小網 ────── 脾臓 肝臓~胃の小弯
前腹壁の内面をおおう腹膜は、上方で横隔膜の下面をおおった後、折れ返って肝臓の上面をおおう。肝臓の上面および前面をおおった腹膜は下方に向かい、肝門のところで後方からくる腹膜と合して胃の小弯に至る。前後の腹膜の合わさってできた間膜を小網という。小網の自由縁の中には肝門から肝臓に出入りする固有肝動脈・門脈・肝管が通る (肝十二指腸間膜)(p.88 小網, p.77 胃間膜)
3 × 大網 ────── 空腸 胃の大弯~垂れ下がった後、折れ返り横行結腸に付着
胃の前面と後面を包む腹膜が大弯で合してできた間膜を大網という。大網は大弯から下方に垂れ下がり折れ返って再び上方に向かい横行結腸の表面に付着した後、横行結腸間膜に癒合して後腹壁に達する。大網は前後に2枚ずつの合計4枚の腹膜でできているが、全体が合わさってエプロンのように大弯から垂れ下がる。(p.88 大網, p.77 胃間膜)
4 × 腸間膜 ───── 腎臓
腎臓は腹膜後器官なので、腸間膜は持たない。(p.88 腹膜, p.90 腎臓)
腹膜
腹膜は、胸膜・心膜とともに漿膜という滑らかな表面を持つ単層扁平上皮よりなる。その表面は光沢があり、常に少量の漿液で、湿って摩擦が軽減されているので、互いに擦れ合っても傷つくことはない。
腹壁と骨盤壁の内面は滑らかな漿膜である壁側腹膜におおわれている。一方、腹腔にある胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・などの表面もまた臓側腹膜という同様の漿膜におおわれる。これらの臓器は腹膜内臓器といわれ、腹壁との間を摩擦なく自由に動くことができる。これに対して、十二指腸・膵臓・上行結腸・下行結腸などは前面のみが腹膜におおわれ、後面は後腹壁に張りつく。肝臓や膀胱・子宮・直腸などは一部腹膜に被われない部分があるので半腹膜臓器として分類できる。また腎臓・副腎などは脂肪に包まれて後腹壁に埋まっており腹膜との関係は薄い。このように後腹壁に接着した臓器を腹膜後臓器と総称する。(p.87 腹膜)間膜
壁側腹膜と臓側腹膜は一定の部位で互いに移行し連続するが、これを間膜という。間膜は2枚の腹膜が合わさってできているが、その2枚の腹膜の間を臓器に出入りする、血管・リンパ管・神経などが走る。(p.87 間膜)
小網
前腹壁の内面をおおう腹膜は、上方で横隔膜の下面をおおった後、折れ返って肝臓の上面をおおう。肝臓の上面および前面をおおった腹膜は下方に向かい、肝門のところで後方からくる腹膜と合して胃の小弯に至る。前後の腹膜の合わさってできた間膜を小網という。小網の自由縁の中には肝門から肝臓に出入りする固有肝動脈・門脈・肝管などが通る(肝十二指腸間膜)。(p.88 小網)
大網
小網は胃の小弯で前後2葉に分かれて胃の前面と後面を包んだ後、大弯で再び合して再度間膜をつくる。この間膜を大網という。大網は大弯から下方に垂れ下がり折れ返って再び上方に向かい横行結腸の表面に付着した後、横行結腸間膜に癒合して後腹壁に達する。大網は前後に2枚ずつの合計4枚の腹膜でできているが、全体が合わさってエプロンのように大弯から垂れ下がる。(p.88 大網)
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