舌咽神経と関連するのはどれか (2014年 鍼灸 問題27)
舌咽神経と関連するのはどれか (2014年 鍼灸 問題27)
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再解説
舌咽神経と関連するのはどれか (2014年 鍼灸 問題27)
1 × 毛様体神経節:動眼神経 III
動眼神経副核 → 動眼神経 III → (上眼窩裂) → 毛様体神経節 → 瞳孔括約筋・毛様体筋(p.310 動眼神経)
2 × 翼口蓋神経節:顔面神経 VII
上唾液核 → 中間神経 VII → (内耳孔) → 大錐体神経 → 翼口蓋神経節 → 涙腺・鼻腺(p.312 顔面神経)
3 × 顎下神経節:顔面神経 VII
上唾液核 → 中間神経 VII → (内耳孔) → 鼓索神経 → 顎下神経節 → 顎下腺・舌下腺(p.312 顔面神経)
4 ○ 耳神経節:舌咽神経 IX
下唾液核 → 舌咽神経 IX → (頚静脈孔) → 耳神経節 → 耳下腺(p.313 顔面神経)
近年、脳神経III、VII、IXの副交感性神経節がよく出題される。まさにこの問題が典型的で、この4つの神経節は確実に覚えておこう。
動眼神経の副交感
動眼神経副核からの節前線維は動眼神経から分かれ、視神経のすぐ外側にある毛様体神経節に入る。ここでニューロンを交代し、節後線維は眼球の後面から進入したのち前方へ向かい、瞳孔括約筋と毛様体筋に至る。これらの筋の収縮により、瞳孔を縮小し、水晶体の厚みを増して近くの像に焦点を合わせる。(p.310 動眼神経)
顔面神経の副交感
涙・鼻水と唾液の分泌を促進する神経線維は橋と延髄の境界近くにある上唾液核から始まる。涙腺を支配する節前線維は、大錐体神経を経由して翼口蓋窩にある翼口蓋神経節に入る。この神経節から始まる節後線維は上顎神経の枝である頬骨神経を経て涙腺神経に合流して涙腺に至る。鼻粘膜や口蓋の小唾液腺を支配する節後線維も上顎神経の枝を経由する。
顎下腺と舌下腺の分泌を促進する節前線維は、鼓索神経から舌神経を経由して舌下で顎下神経節に入り、ここでニューロンを交代して腺に入る。(p.312 顔面神経)
舌咽神経の副交感
延髄の下唾液核から始まり、鼓室への枝を経由し耳神経節に達する。節後線維は耳介側頭神経を経由して耳下腺に分布する。耳神経節は卵円孔の直下で下顎神経の根もとについている。(p.313 舌咽神経)
—
脳神経の走行・通過する孔・神経核
部位 |
脳神経 |
成分 |
走行 |
大脳 |
I 嗅神経 |
感覚 (SVA) |
嗅細胞 → (篩骨篩板) → 嗅球 |
間脳 |
II 視神経 |
感覚(SSA) |
視神経節細胞 → (視神経管) → 視床 外側膝状体 |
中脳 |
III 動眼神経 |
運動(GSE) |
動眼神経核 → (上眼窩裂) → 上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋、上眼瞼挙筋 |
副交感(GVE) |
動眼神経副核 → (上眼窩裂) → 毛様体神経節 → 瞳孔括約筋・毛様体筋 |
IV 滑車神経 |
運動(GSE) |
滑車神経核 → (上眼窩裂) → 上斜筋 |
橋 |
V 三叉神経 |
V1 眼神経 |
感覚(GSA) |
皮膚知覚 → (上眼窩裂) → 三叉神経脊髄路核・主知覚核 |
V2 上顎神経 |
感覚(GSA) |
皮膚知覚 → (正円孔) → 三叉神経節 → 三叉神経脊髄路核・主知覚核 |
V3 下顎神経 |
感覚(GSA) |
皮膚知覚 → (卵円孔) → 三叉神経節 → 三叉神経脊髄路核・主知覚核 |
運動(SVE) |
三叉神経運動核 → (卵円孔) → 咀嚼筋 |
VI 外転神経 |
運動(GSE) |
外転神経核 → (上眼窩裂) → 外側直筋 |
VII 顔面神経 |
感覚(SVA) |
舌前2/3の味覚 → (内耳孔) → 膝神経節 → 孤束核 外側部 |
運動(SVE) |
顔面神経核 → (内耳孔) → (茎乳突孔) → 表情筋 |
副交感(GVE) |
上唾液核 → 中間神経 → (内耳孔) → 大錐体神経 → 翼口蓋神経節 → 涙腺 |
上唾液核 → 中間神経 → (内耳孔) → 鼓索神経 → 顎下神経節 → 顎下腺・舌下腺 |
VIII 内耳神経 |
感覚(SSA) |
前庭・半規管の有毛細胞 (平衡覚) → (内耳孔) → 前庭神経節 → 前庭神経核 |
コルチ器の有毛細胞 (聴覚) → (内耳孔) → ラセン神経節 → 蝸牛神経核 |
延髄 |
IX 舌咽神経 |
感覚(SVA) |
舌後1/3の味覚 → (頚静脈孔) → 下神経節 → 孤束核 外側部 |
舌後1/3の知覚 → (頚静脈孔) → 下神経節 → 孤束核 内側部 |
運動 (SVE) |
疑核 → (頚静脈孔) → 茎突咽頭筋・咽頭上部の筋 |
副交感(GVE) |
下唾液核 → (内耳孔) → 耳神経節 → 耳下腺 |
X 迷走神経 |
感覚(GVA) |
咽頭や軟口蓋の知覚 → (頚静脈孔) → 下神経節 → 孤束核 内側部 |
感覚(GSA) |
耳介後方と外耳道後壁(体性知覚)→ 上神経節 → 三叉神経脊髄路核 |
運動(SVE) |
疑核 → (頚静脈孔) → 喉頭と咽頭の筋 |
副交感(GVE) |
迷走神経背側運動核 → (頚静脈孔) → 胸腹部の副交感性自律神経節 → 胸腹部臓器の副交感性支配 |
XI 副神経 |
運動(GSE) |
副神経脊髄核 → (頚静脈孔) → 僧帽筋・胸鎖乳突筋 |
XII 舌下神経 |
運動(GSE) |
舌下神経核 → (舌下神経管) → 舌筋 |
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この記事を書いた人
黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。
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