腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか (2014年 鍼灸 問題29)
1 × 陰部大腿神経
陰部大腿神経の陰部枝は鼠径管を通る。大腿枝は血管裂孔を通る。
L1・2が合流して構成され、大腰筋の前を下行しつつ、陰部枝と大腿枝に分かれる。
i) 陰部枝:男性では、鼠径管を通って陰嚢内の精巣挙筋に分布する筋枝と陰嚢の皮枝を含む。女性では大陰唇とその付近の皮膚感覚を担う。
ii) 大腿枝:鼠径靱帯の下をくぐって血管裂孔から大腿前面にいたる。大腿前内側面に分布する皮枝となる。(p.290 腰神経叢)
2 ○ 外側大腿皮神経
筋裂孔を通り大腿外側部に出る
L2・3が合流して構成される。大腿神経とともに大腰筋と腸骨筋の間を通って腸骨筋の表面を外側下方に向かって走り、上前腸骨棘付近で鼠径靱帯の下の筋裂孔をくぐって大腿外側部に出る皮神経である。(p.290 腰神経叢)
3 × 腸骨下腹神経
腸骨下腹神経は腸骨稜の直上に外側皮枝、下腹部に前皮枝を出す。
T12とL1が合流して構成される。肋間神経と同様に腹壁をまわりながら腹筋を支配するほか、腸骨稜の直上に外側皮枝、下腹部に前皮枝を出す。(p.290 腰神経叢)
4 × 閉鎖神経
閉鎖神経は閉鎖孔を通る。
L2~4が合流して構成される。大腰筋の筋束間を下行し、大腰筋内側下縁から骨盤腔に達する。骨盤の側壁を閉鎖動静脈とともに走り、閉鎖孔の内側上方(恥骨上枝の下縁)にある閉鎖管を貫通して大腿内側に至り、外閉鎖筋および内転筋群の各筋に支配枝を出す。また、筋枝を出した後は皮枝として大腿内側の皮膚に分布する。(p.290 腰神経叢)
筋裂孔と血管裂孔(p.284 筋裂孔と血管裂孔)
寛骨前面は弓状になっており、その上に上前腸骨棘と恥骨結節の間を結ぶ鼠径靱帯が張っている。腰部から大腿部に向かって走る腰神経叢の枝や下肢を養う脈管は、鼠径靱帯の下と寛骨との間にできる筋裂孔と血管裂孔という隙間を通る。血管裂孔と筋裂孔の間は腸恥筋膜弓で仕切られる。そしてこれらの裂孔は鼠径靱帯の下から大腿三角に連続する。
筋裂孔は、本来、鼠径靱帯の下を通る腸腰筋の通路である。腰神経叢から起こる大腿神経と外側大腿皮神経は腸腰筋に導かれるように筋とともにこの裂孔を通って下行し、大腿に至る。
血管裂孔は筋裂孔よりも内側にあり、リンパ管、大腿静脈、大腿動脈が内側からこの順に並んで通る。特にリンパ管が通る血管裂孔の最内側を大腿輪という。このほか、陰部大腿神経の大腿枝も血管裂孔を通る。腰神経叢の枝(p.290 腰神経叢)
- 腸骨下腹神経
腹壁を回りながら腹筋を支配し、腸骨稜の直上に外側皮枝、下腹部に前皮枝を出す。(p.232 図10–83 体幹の皮神経)
- 皮枝:下腹部、骨盤部側面
- 筋枝:腹横筋、内腹斜筋
- 腸骨鼠径神経
腸骨稜から鼠径靭帯に沿って鼠径部に至り、鼠径管を通り、陰嚢や陰唇に至る。(p.232 図10–83 体幹の皮神経、p.289 図10–138 下肢の皮静脈,皮神経とリンパ節)
- 皮枝:下腹部から大腿上部内側、外陰部
- 筋枝:腹横筋、内腹斜筋
- 陰部大腿神経
陰部枝は鼠径管を通り、陰嚢内の精巣挙筋や陰嚢の皮枝、大陰唇とその付近に分布する。大腿枝は血管裂孔から大腿前面に至る。(p.232 図10–83 体幹の皮神経、p.289 図10–138 下肢の皮静脈,皮神経とリンパ節)
- 皮枝:外陰部、大腿上部内側
- 筋枝:精巣挙筋
- 外側大腿皮神経
大腿神経とともに腸骨筋の表面を外側下方に向かって走り、筋裂孔をくぐって大腿外側部に出る。(p.285 図10–135 鼠径管, p.289 図10–138 下肢の皮静脈・皮神経とリンパ節)
- 皮枝:大腿外側
- 大腿神経
大腰筋とともに筋裂孔を通って大腿三角に至る。(p.285 図10–135 鼠径管, p.289 図10–138 下肢の皮静脈・皮神経とリンパ節, p.293 図10–140 下肢の神経)
- 皮枝:
- 前皮枝:大腿前面から膝蓋に至る下部の3/4
- 伏在神経:下腿内側
- 筋枝:大腿四頭筋、腸骨筋、縫工筋、恥骨筋
- 閉鎖神経(p.293 図10–141 大腿前面の血管・神経)
閉鎖孔の内側上方にある閉鎖管を貫通して大腿内側にいたる。
- 皮枝:大腿内側下2/3
- 筋枝:長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、外閉鎖筋
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