腰三角を構成するのはどれか (2016年 鍼灸 問題20)
1 ○ 外腹斜筋
外腹斜筋は第5~第12肋骨から起こり腹壁の外側部を後上方から前下方に走る筋で、大部分は腱膜となって腹直筋鞘の前葉となり白線につく。一部は鼠径靱帯と腸骨稜につく。肋間神経、腸骨下腹神経がこれを支配する。広背筋の腸骨稜からの起始の前縁と外腹斜筋の後縁と腸骨稜に固まれた部位を腰三角という。
2 × 腸肋筋
脊柱起立筋は外側から腸肋筋、最長筋、棘筋の順に脊柱の両側にならぶ上下に長い筋群で、仙骨、腸骨稜、第11・第12胸椎と腰椎から起こり、肪骨、胸椎、頸椎、後頭骨、乳様突起に停止する、前二者はおもに胸部では各肋骨につき、後者はおもに各棘突起の間に張る。おもな働きは脊柱の伸展、側方屈曲、回旋である。脊髄神経後枝がこれを支配する。
3 × 大腰筋
大腰筋の浅頭は第12胸椎から第5腰椎までの椎体から起こり、深頭は全腰椎の肋骨突起と第12肋骨から起こる。合して鼠径靱帯の下の筋裂孔をくぐって大腿骨小転子につく。
4 × 腰方形筋
腰方形筋は腰椎の外側で第12肋骨と腸骨稜との間にあり、第12肋骨を引き下げる働きがある。腰神経叢の枝が支配する。
- 広背筋・腸骨稜・外腹斜筋=腰三角
- 広背筋・僧帽筋・菱形筋=聴診三角
広背筋は腰部で腸骨稜の後部から下位の胸椎棘突起まで広がる広大な起始腱膜をつくり、この腱膜と固有背筋を包む胸腰筋膜とが癒合したものが腰背腱膜と呼ばれる。胸腰筋膜は前方に伸び、固有背筋の外側部とその前方にある腰方形筋を分けており、この部分を胸腰筋膜の前葉と呼ぶ。胸腰筋膜と広背筋腱膜が合してできた腰背腱膜の部分を胸腰筋膜の後葉と呼ぶことも多い。また、懸垂など肩を下げる方向に力を入れると、腋窩後壁から側腹部にかけて広背筋の外側縁を触れるが、腸骨稜からの起始の前縁と外腹斜筋の後縁と腸骨稜に固まれた腰三角は腹壁の中で抵抗の低い部位の1つである。(p.228 体幹の局所解剖 腰背部)
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