脊髄神経の後枝に由来するのはどれか (2015年 鍼灸 問題25)
1 ○ 大後頭神経:頚神経(C2)後枝
C2の後枝の皮枝は、頭部の発達によって後頭部にひきずられて特に発達し、大後頭神経となり、後頭部から頭頂へかけての皮神経となる。(p.141 脊髄神経の分布先, p.315 頸神経)
2 × 肋間神経:胸神経(T1~12)前枝
T1~11の前枝は肋間神経として胸部・腹部の皮膚と筋を支配する。T12の前枝は腰神経叢に合流して肋下神経と呼ばれる。(p.141 脊髄神経の分布先)
3 × 橈骨神経:頚神経・胸神経前枝(腕神経叢(C5〜T1))
腕神経叢の後神経束は、腕神経叢の後方の太い神経束であり、腋窩の後壁である上肢帯の筋に向かって、腋窩神経・肩甲上神経・肩甲下神経・胸背神経を次々と分枝する。そして上肢帯への枝を出し終わると、橈骨神経に移行して上肢の後面(上腕・前腕の伸筋と皮膚)を支配する。(p.259 腕神経叢の構成)
4 × 下殿神経:腰神経・仙骨神経前枝 (仙骨神経叢(L5~S2))
下殿神経はL5~S2が合流して神経叢の背側から出る。梨状筋下孔から寛骨後面に出て、大殿筋に枝を出す。(p.292 仙骨神経叢)
脊髄神経前枝と後枝
前根と後根が合流し脊髄神経が作られたのち、背側に出る枝が脊髄神経後枝となる。 (p.140 脊髄神経の根部, 前枝と後枝) (前根は遠心性線維、後根は求心性線維が走る。前根と後根が合わさった後に出る枝なので、後枝は遠心性と求心性が両方含まれる。) 脊髄神経後枝は体幹の背側にある固有背筋や背中の皮膚に分布するが、頚部の後から腰背部にかけて細い枝が分節ごとに出てくるため、固有の名前はつかず、ひとくくりに「脊髄神経後枝」と呼ばれる。だが、脊髄神経後枝でも「名前の付いた」脊髄神経後枝もあるので、しっかり覚えたい。
学名のある脊髄神経後枝
脊髄神経後枝は神経叢は作らないことも知っておくと良い。
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