脊柱起立筋に含まれるのはどれか (2013年 あマ指 問題22)
1 × 板状筋
板状筋は僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、上後鋸筋におおわれる。項靱帯、第3頸椎から第3胸椎までの棘突起より起こる頭板状筋と、第3胸椎から第6胸椎までの棘突起から起こる頸板状筋に分かれ、いずれも外上方へ走る。頭板状筋は側頭骨の乳様突起、後頭骨の上項線外側部に停止する。頸板状筋は第1~第3頸椎の横突起に停止する。脊髄神経後枝がこれを支配する。
2 × 多裂筋:横突棘筋
3 × 頭半棘筋:横突棘筋
横突棘筋は上層から半棘筋、多裂筋、回旋筋が順に重なり、いずれも横突起から起こり上内方に向かい、上方の脊椎の棘突起または椎弓に停止する。脊椎の伸展、側方屈曲、回旋の補助などを行う。脊髄神経後枝が支配する。
4 ○ 棘筋:脊柱起立筋
脊柱起立筋は外側から腸肋筋、最長筋、棘筋の順に脊柱の両側にならぶ上下に長い筋群で、仙骨、腸骨稜、第11・第12胸椎と腰椎から起こり、肪骨、胸椎、頸椎、後頭骨、乳様突起に停止する、前二者はおもに胸部では各肋骨につき、後者はおもに各棘突起の間に張る。おもな働きは脊柱の伸展、側方屈曲、回旋である。脊髄神経後枝がこれを支配する。
背筋は浅背筋と深背筋に分けられる。深背筋はさらに浅層の第1層と深層の第2層に区別される。
- 浅背筋
- 僧帽筋
- 広背筋
- 肩甲挙筋
- 小菱形筋
- 大菱形筋
- 深背筋 第1層 (棘肋筋)
- 上後鋸筋
- 下後鋸筋
- 深背筋 第2層 (固有背筋)
- 板状筋
- 脊柱起立筋
- 腸肋筋
- 最長筋
- 棘筋
- 横突棘筋
深背筋(p.222 深背筋)
深背筋は上肢の運動とは関係がなく、さらに由来と機能の異なる2層の筋群に分けられる。
A) 第1層(棘肋筋)
上後鋸筋と下後鋸筋があり、椎骨の棘突起と肋骨を結ぶことから、棘肋筋と呼ばれる。肋骨を上下させ、呼吸の補助筋として働くが、薄い筋でその力は弱い。いずれも、肋間神経の支配を受け、本来は肋間筋と同じ筋群に属する筋で、下層の固有背筋とは厳密に区別されるものである。上後鋸筋は菱形筋におおわれ、肋骨を引き上げ吸気筋として、また、下後鋸筋は広背筋におおわれ、肋骨を引き下げる呼気筋として働く。
B) 第2層(固有背筋)
本来の背筋であって、脊髄神経後枝に支配される。多数の筋からなり、しばしばまとめて固有背筋と総称される。脊柱の両側にあり、仙骨から後頭部まで縦走する筋群で、脊柱と頭を動かし、全体としては脊柱を直立させる。胸・腰部では厚い胸腰筋膜に包まれているので、浅背筋とは明らかに区別される。
- 板状筋
頭部で僧帽筋の下層にあり、扁平で板状を呈する。頸部と頭部を後屈(頸部の伸展)させ、一側のみが働くとそちらに側屈・回旋する。また、板状筋は他の背筋(最長筋・頭半棘筋)と協力して、頭が重力で前方に傾かないよう保持し、前屈位から復するように働く。停止の違いから、頭板状筋と頸板状筋とが区別される。- 脊柱起立筋
最大の背筋で、腸骨、仙骨の後面から上方は側頭骨の乳様突起にまで達する。外側から腸肋筋・最長筋・棘筋が並び、3筋は協力して働き、脊柱を伸展して屈曲を防ぎ、脊柱を起立させる。一側のみが働くと、側屈、回旋する。特に斜走する筋群は、腹壁の筋とともに働いて脊柱を回旋する。- 横突棘筋
最深層にある背筋で、いずれも横突起から斜めに上行して上位の棘突起につく筋群(半棘筋・多裂筋・回旋筋)の総称である。半棘筋は頭頸部で発達がよく、脊柱を直立させ、頭を保持するのに重要な筋である。居眠りの場合に頭が前方に落ちるのは、半棘筋が弛緩するためと考えられている。多裂筋、回旋筋と順次筋の長さが短くなり、前者は脊柱の伸展とわずかな回旋、後者は脊柱の回旋を行う。
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