左主気管支について正しいのはどれか (2017年 あマ指 問題20)
1 × 3つに分岐する。
左主気管支は2つの葉気管支に分岐する(左二右三)。
2 × 前壁は膜性壁である。
気管の後壁は膜性壁である。
気管の壁は約20個の馬蹄形の気管軟骨が積み重なってできている。軟骨を欠く後壁は膜性壁といい、平滑筋と粘膜だけになる。(p.65 気管と気管支)
3 × 右主気管支より短い。
4 ○ 右主気管支より細い。
右気管支は太くて短く、垂直に近く傾斜する。左気管支は細くて長く、水平に近い傾斜を持つ。(p.65 気管と気管支)
気管は第6頸椎の高さで、喉頭の輪状軟骨の下から垂直に下降する長さ10~13cmで直径が約2cmの管である。前頸部では体表から気管を触れることができる。気管の壁は約20個の馬蹄形の気管軟骨が積み重なってできている。軟骨を欠く後壁は膜性壁といい、平滑筋と粘膜だけになる。気管は胸腔に入ると心臓の上後方(第5胸椎の高さ)で左右の気管支に分かれる。右気管支は太くて短く、垂直に近く傾斜する。左気管支は細くて長く、水平に近い傾斜を持つ。このように左右の気管支の太さ・長さ・走行に違いがあるので、誤って気管支に吸い込んだ異物は右気管支に、さらには右肺に入りやすい。(p.65 気管と気管支)
気管支は肺門から肺に入ると、まず各肺葉にいく葉気管支に分かれる。右肺では上葉気管支・中葉気管支・下葉気管支の3本に、左肺では上葉気管支・下葉気管支の2本に分かれる。このあと各葉気管支は2~4本の区域気管支に分かれる。区域気管支が支配する領域を肺区域というが、肺区域は右肺では10個、左肺では9個ある。肺区域はそれぞれ重なり合うことがなく、分布する血管もそれぞれ独立している。そのため肺がんなどで肺組織を切除する場合は、肺区域を単位とした区域切除術などが行われる。
区域気管支は区域内で分岐して気管支枝となり、最後に軟骨を失って細気管支となる。細気管支は各肺小葉に入り、分岐して終末細気管支となる。細気管支は肺小葉への空気の流入を調節する。端息発作は平滑筋の病的なけいれんに伴う細気管支の過度の収縮によるという。終末細気管支は呼吸細気管支に続く。その壁の一部には肺胞が付いて、さらにその数が増えて肺胞管・肺胞嚢となる。(p.66 肺区域)
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