小転子に停止するのはどれか (2013年 あマ指 問題20)
1 × 梨状筋:仙骨前面 → 大転子
梨状筋は仙骨前面から出て外下方に走り、大坐骨孔を通り前方に向かい、大転子につく。大腿を外方にまわす。また外転する。仙骨神経叢の枝をうける。
2 ○ 腸腰筋:腸骨筋は腸骨窩、大腰筋は全腰椎の肋骨突起・L12~L4椎体と椎間円板 → 小転子
主として腸骨窩内にあって大腿を上げる作用をもつ。腰神経叢および大腿神経の枝をうける。大腰筋の浅頭は第12胸椎から第5腰椎までの椎体から起こり、深頭は全腰椎の肋骨突起と第12肋骨から起こる。合して鼠径靱帯の下の筋裂孔をくぐって大腿骨小転子につく。腸骨筋は腸骨窩および下前腸骨棘から起こり、大腰筋とともに鼠径靱帯の筋裂孔をくぐり小転子につく。
3 × 大殿筋:腸骨外面・仙骨と尾骨の後面・仙結節靭帯 → 殿筋粗面・腸脛靭帯
大殿筋は殿部を形成する強大な筋で、腸骨翼外側面、仙骨、尾骨の外側縁などから起こって斜め外下方に向かい大腿骨上部の殿筋粗面につく。大腿を後ろに引きかつ外旋する。上部だけ働けば大腿は外転する。下殿神経をうける。
4 × 大腿方形筋:坐骨結節 → 転子間稜
坐骨結節から起こり外方に向かい、大腿骨転子間稜につく。大腿を外方にまわし、また内転する。仙骨神経叢の枝をうける。
大腿骨(p.190 大腿骨)
大腿骨は人体で最も大きな長骨で、その長さは身長に比例する。上端には球状の大腿骨頭があり、寛骨臼にはまって股関節をなす。大腿骨頭からは外側下方に傾いた大腿骨頸が続く。さらに、大腿骨は大腿骨頸と大腿骨体の移行部で角度をなして曲がる。これを頸体角という。
大腿骨頸の基部の外側上方には大転子、内側下方には小転子という隆起がある。大転子の内側面は深くくぼみ、転子窩という。大転子には外寛骨筋が集中し、小転子には寛骨内面からの筋がつく。
大腿骨前面では、大転子と小転子の間に転子間線という粗な線が斜走する。これは股関節を補強する靱帯の付着痕である。一方、大腿骨後面で大転子と小転子の間に転子間稜がある。転子間稜の下方には、大殿筋がつく殿筋粗面がある。
骨幹は大腿骨体といわれ、円柱状で前方に軽く弯曲する。前面は平滑だが、後面には粗線という縦に走る線状の隆起がある。粗線をよく観察すると、上方と下方で互いに分離する2本の稜線から構成されることがわかる。これが粗線の内側唇と外側唇である。粗線は直立二足歩行に必要な筋の付着によってできたもので、内側唇に大腿四頭筋の内側縁や内転筋群がつき、外側唇には大腿四頭筋の外側縁や大腿二頭筋の短頭が付着する。
大腿骨の下端は次第に横幅が広がり、2つ並んだ楕円形の隆起である内側顆と外側顆になって脛骨の上面と関節する(膝関節)。内側顆と外側顆の後面では、両顆の間が大きくくぼんで顆間窩をつくる。内側顆と外側顆の前面には、膝蓋骨と関節する滑面がある(膝蓋面)。また、内側顆と外側顆の側方には、内側上顆と外側上顆が出る。両上顆には、膝関節の側副靱帯のほか下腿の筋が付着する。
次の問題
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参考画像出典元
3D4Medical社 Complete Anatomy
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