1 ○ 中大脳動脈
内頸動脈の最終枝で、大脳の外側溝の深部を多数の枝を出しながら後上方へ伸びる。大脳の外側面の大部分を栄養する。内包や間脳、脈絡叢など脳の深部へ多数の細い枝を出す。大脳の動脈の中で最も太い。(p.305 内頸動脈 – 中大脳動脈)
内包に分布するのは、中大脳動脈の枝であるレンズ核線条体動脈であるが、この動脈は脳出血を引き起こしやすい動脈として知られる。脳出血の約70%はこの動脈の出血によるという。(p.131 大脳動脈輪 – 脳出血)
2 × 中硬膜動脈
中硬膜動脈は顎動脈の枝で、蝶形骨の棘孔を通り頭蓋腔に入り、広い範囲の脳硬膜と脳頭蓋の骨を栄養する。(p.306 顎動脈)
3 × 脳底動脈
鎖骨下動脈の枝である椎骨動脈は第6頚椎より横突孔を上行し(p.307)、大後頭孔 (大孔) より頭蓋腔に入る。頭蓋腔に入ると、左右の椎骨動脈は橋の下面で合して1本の脳底動脈となる。脳底動脈は延髄・橋・小脳に枝を送りつつ上行し、やがて左右の後大脳動脈に分かれる。この椎骨動脈-脳底動脈-後大脳動脈の系統は脳の後1/4を栄養する。(p.131 椎骨動脈)
4 × 後下小脳動脈
椎骨動脈の最大枝で、延髄の外側に沿って背側に走り、小脳の下面に達する。延髄の背外側部・小脳の後下部に分布する。【解剖学講義 p.732 椎骨動脈】
この問題では関係ないが、ウイリス動脈輪もしっかり理解しよう。
- 脳は内頚動脈と椎骨動脈の 2 系統により栄養される。
- 内頚動脈は頚動脈管を通り破裂孔の上に出て脳の血管となる。前大脳動脈と後交通動脈を出した後、中大脳動脈となる。
- 椎骨動脈は大後頭孔より頭蓋内に入り、左右の椎骨動脈が合わさって脳底動脈となる。脳底動脈は小脳や橋などへの枝を出した後、左右の後大脳動脈に分かれる。
- 脳底では内頚動脈、脳底動脈とそれらから分かれる枝が輪を作るように吻合しあう。
- 前方では、左右の内頚動脈の枝である前大脳動脈が前交通動脈により吻合する。
- 後方では、脳底動脈が分岐した左右の後大脳 動脈が後交通動脈を介してそれぞれ内頚動脈と吻合する。
- このように下垂体を取り囲む動脈の輪が形成 される。これを大脳動脈輪(ウイリス動脈輪) という。
ウイリス動脈輪 (大脳動脈輪) (p.131)
脳底では内頸動脈、脳底動脈と、それらから分かれる枝が輪をつくるように吻合しあう。前方では、左右の内頸動脈の枝である前大脳動脈が前交通動脈により吻合する。後方では、脳底動脈が分岐した左右の後大脳動脈が後交通動脈を介してそれぞれ内頸動脈と吻合する。このように下垂体を取り囲む動脈の輪が形成され、これを大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)という。
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