下大静脈に直接注がないのはどれか (2014年 鍼灸 問題25)
1 肝静脈 → 下大静脈
肝臓から出る2~3本の静脈で、下大静脈が肝臓後面の大静脈溝を通るときに、これに入る。
2 腎静脈 → 下大静脈
腎門より出て同名動脈の前を走り下大静脈に入る。左腎静脈は腹大動脈の前を横切る。また、これには通常左精巣静脈、または左卵巣静脈が入る。
3 脾静脈 → 門脈 → 肝臓
門脈は、主に脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈が合してできた特別な静脈である。胃腸や膵臓、脾臓から集められた静脈は、門脈として肝臓の中に導かれて肝組織で毛細血管に流れたのち、再び、肝静脈を経て下大静脈に注ぐ。(p.50 門脈系)
4 腰静脈 → 下大静脈
腰静脈は同名動脈に沿って走行し、奇静脈、下大静脈ないし外腸骨静脈に注ぐが、一部腎静脈とも連絡する。(p.230 腹壁の静脈)
脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈は合して門脈となる。
胃腸や膵臓、脾臓から集められた静脈は、門脈として肝臓の中に導かれて肝組織で毛細血管に流れたのち、再び肝静脈を経て下大静脈に注ぐ。(p.50 門脈系)
下大静脈に注ぐ枝
下大静脈は、下半身の静脈の本幹である。第5腰椎の前で左右の総腸骨静脈が合流して始まり、途中に腰静脈や腎静脈などを受けながら腹大動脈の右側を上行する。上腹部では肝臓の後方部に食い込み、ここでは数本の短い肝静脈が流入する。その後、横隔膜の腱中心に開いた大静脈孔を貫通して直ちに右心房に接続する。
腎静脈には、左右の腎臓と下大静脈の位置関係によって左右差がある。下大静脈が正中線よりも右にあり、右腎は下大静脈に近いので、その腎静脈は短い。それに比べて左腎は下大静脈から遠く、左腎静脈は腹大動脈の前を横切って下大静脈に注ぐので長い。しかも、その途中で左の性腺静脈(精巣静脈や卵巣静脈)が合流する。右の性腺静脈は右腎静脈よりも下方で下大静脈に直接注ぎ込む。(p.49 下大静脈に注ぐ枝系)
下大静脈に直接注ぐ枝はさほどない。脾臓や消化管からの静脈は上記の通り門脈に集まり肝臓に向かうからだ。下大静脈に直接注ぐものもしっかり覚えよう。
- 下大静脈に直接注ぐ枝(p.49)
第5腰椎の高さで左右の総腸骨静脈が合わさり下大静脈となる。- 腰静脈
- 腎静脈
下大静脈が右側を走っているので、右の腎静脈は短く、左の腎静脈は長い - 右性腺静脈(右精巣静脈, 右卵巣静脈)
左性腺静脈は左腎静脈に注ぐ - 肝静脈
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